「なんかいいことないかなー」
前職の30代女性上司が、口ぐせのように言っていた言葉だ。毎朝同じ時間に出社、遅くまで残業して帰宅。休みの日は寝だめして、家でぐだぐだ過ごして、また出社の繰り返し。
『ナチュラルボーンチキン』は、同じようにルーティンを過ごす女性会社員が主人公だ。仕事とご飯と動画を観るという、ルーティンを愛する45歳女性会社員が、ホストクラブに通う20代の女性社員と出会い、何も起きなかった毎日がどんどん変わっていく物語。巷では、中年の”君たちはどう生きるか”だと言われている。
ルーティンを抜け出していく主人公を見ていて、もし何も起きない毎日を抜け出したかったら、"いつもとちょっとだけ違うこと"をすればいいのかもしれないと思った。話しかけたことない人に自分から声をかけてみる、友だちに連絡してみる。そんな些細なことでも、一歩踏み出してみると違うことが起こるもの。
主人公には、幸せになってもらいたいと思える、読後感も良かった。私も「なんかいいことないかなー」と言い出したら、必ず読み返そうと思う作品だった。
また、強く心に残った部分がある。
「おじさん」についての定義だ。
これまで4社働いてきて、どの会社でも「苦手だな…」と思う人が、このおじさん。話しかけても返事をしない、自分の考えを決して曲げない、突然大声を出して画面に向かってキレだす、、、なぜそんな行動をとるのか理解できない。相手を慮る言葉がなぜ出てこないのだろう。ずっと疑問だった。
でも、男性全員が苦手な訳ではない。それも同時に不思議に思っていた。
おじさんの定義って何なんだろう。そんな中で、ナチュラルボーンチキンが納得のいく定義をしてくれた。
おじさんというのは年齢ではなく、属性です。
おじさんとはつまり、話の通じない人のことなんです。自分とは価値観がかけ離れすぎている人、何を大切に思うかが全く違う人、だということです。
そうか、属性か。そしたら男性全員に怯える必要はなくなる。もし出会ったら「おじさんみーつけた!」ぐらいのテンションで、なるべく関わらないように気をつけよう。
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